やきぎり 【焼桐】 |
桐材の表面を真っ赤に熱した鏝(こて)をあてて焼き焦がし、焼き色を付け、うづくりなどでこすって木目を浮き出させる技法。琴や桐箪笥(たんす)などの表面加工に用いる。最近では薬品やバーナーで焼く場合もある。杉材を焼き加工したものは焼杉という。 |
やくすぎ 【屋久杉】 |
スギ科の針葉樹で、鹿児島県の屋久島に産するもの。特に樹齢千年以上のものについていう。材は淡紅ないし褐色で、木理は複雑で美麗。鶉杢(うずらもく)などが現れる。銘木として珍重され、欄間、天井板、衝立、茶棚などに用いられる。薩摩杉、鬼杉ともいう。 |
やぐたんす 【夜具箪笥】 |
押入れが無かった昔、蒲団や蚊帳などを収納した大型の箪笥。布団箪笥、押入箪笥、部屋箪笥などとも呼ばれる。一般に上段に大きな戸棚が付き、下段に引出しが付く。上下とも戸棚の簡素なものは「夜具入れ」と呼ばれる。 |
やぐらこたつ 【櫓炬燵・櫓火燵】 |
暖房具のひとつで、炭火や電気を熱源にして櫓(やぐら)で囲い、布団をかけて暖をとるもの。 |
やげんぼり 【薬研彫り】 |
彫刻技法の一つで、溝がV字形になった彫り方。漢方薬を粉にする薬研の器に形が似るのでこう呼ばれる。 |
ヤコブセン ArneJacobsen |
アーネ・ヤコブセン(1902-1971)は、デンマークの建築家であり家具のデザイナー。卵の殻の形をしたエッグチェアーやスワンチェアー、アントチェアー、セブンチェアーが有名。 |
やしゃぶし 【矢車附子】 |
染料のひとつ。カバノキ科のやしゃはんの木の実を煎(せん)じてつくる染料。桐箪笥の着色に用いる。夜叉五倍子とも書く。 |
やちだも 【谷地だも】 |
モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹。年輪は明瞭で、時に美しい杢を有する。家具材、造作材、器具材などに使う。弾力性に富むのでバッドやラケット、スキー板などの運動具材としても重用される。 |
やといざねはぎ 【雇実矧ぎ・雇核矧ぎ】 |
接ぎ合わせのひとつ。双方の板材の側面に溝を作り、その溝にはめ込んだ木片(さね)を介してはぎ合わせる工法。合いさねともいう。 |
やないばこ・やなぎばこ 【柳筥】 |
柳の細い枝を編んで作った蓋(ふた)付きの箱で、硯や筆、短冊、経典などを納めるのに使用。後に、その蓋を冠、経巻、装束などを載せる台として用いられた。 |
やに 【脂】 resin |
木から分泌される樹液。松系の木に多く見られる。脂が木の木理(木目)に部分的に集まってしまった部分を脂壷(ヤニつぼ)という。松脂はアルコールで溶かして簡易な塗料チャンニスとして用いた。金工では象嵌の加工の際に使用される。又、弦楽器などにも滑り止めとして使用されている。 |
やまざくら 【山桜】 |
バラ科の広葉樹。木質はやや重硬で強靭。加工性、着色性ともに優れ、磨くと光沢がでる。本桜ともいう。家具材、楽器材、彫刻材などに使用。樹皮を素材にして工芸品の樺細工(かばざいく)も作る。 |
やりがんな 【槍鉋・遣り鉋】 |
中世末に台鉋が出現する前まで使われていたカンナ。長い柄が付き穂先が柳葉状になって槍に似ている。 |
ユーカリ eucaly |
フトモモ科の広葉樹で数百種類の木がある。多くはパルプ用のチップや燃料にされるが、重硬で耐久性に優れる樹種もあり、建築用構造材、船舶材、枕木など利用される。ガムツリー(gumtree)ともいう。 |
ゆうぶいとそう 【UV塗装】 ultravioletcoating |
UVとは、Ultraviolet(ウルトラヴァイオレット)、つまり紫外線のことで、紫外線をを照射させて塗膜を硬化させた特殊な塗装。普通の塗装より硬いのでキズが付きにくい。⇒紫外線硬化型塗料 |
ゆうこうぼーど 【有孔ボード】 perforatedboard |
円形又はスリット状の穴を一定間隔に貫通し板で、吸音材などに用いられる。有孔ベニヤ、穴明きベニヤともいう。 |
ゆかいた 【床板】 floorboard |
建物の床に張った板。フロアーボード。根太の上に張るので根太板ともいう。なお、床(とこ)の間に張った板は、同じ漢字でも「とこいた」という。 |
ゆせいわにす 【油性ワニス】 |
乾性油と天然樹脂を加熱重合し、乾燥剤や溶剤を加えたもの。スパーワニス、コパールワニス、ゴールドサイズなどの種類があり乾燥時間は8時間~24時間かかる。耐水性が良いほか、耐候性があるので内外装に使用されるが、経時により変色する。 |
ゆたん 【油単】 |
湿気や汚れを防ぐために箪笥(たんす)や長持などに掛ける布製のおおい。 |
ユティル utile |
アフリカに産するセンダン科の広葉樹。心材は赤茶色でやや紫色がかかる。家具材や建材、木製サッシなどに使われる。シッポマホガニー、シポ、ユチル、ウテレ、ウテルなどと呼ばれる。 |
ユニット家具 unitfurniture |
一種又は数種の基本となる単体の箱や棚、引出しなどを自由に組み合わせて作る組合せ家具。 |
ゆみのこ 【弓鋸】 bowsaw |
弦掛鋸(げんかのこ)ともいい、幅の狭い鋸身を弓形の背金の両端に取り付け緊張させたもの。糸鋸もこの一種。 |
ゆりいす 【揺り椅子】 rockingchair |
ロッキングチェアー。中国語は揺椅(yáoyï)。 |
ヨーロピアンラーチ europeanlarch |
ヨーロッパ北部やロシアなどに生育しているマツ科の針葉樹。和名をヨーロッパカラマツと言い、木質はカラマツに似ているが、材の色合いはそれよりも黄色味がかっている。針葉樹としては比較的硬く、強度や耐水性に優れることから建築用の構造材や船舶材、枕木、合板などに用いられる。近縁種としてウェスタンラーチなどがある。 |
ヨーロピアンビーチ EuropeanBeech |
ヨーロッパ各地に生育するブナ科の広葉樹。材面は淡いピンク色を帯びた乳白色で、仕上がりは美しい。粘りもあり曲げ木にも適する。ヨーロッパビーチ、ヨーロピアンブナ、ヨーロッパブナとも呼ばれる。 |
ヨーロピアンウォルナット |
ヨーロッパから西アジアに生育するクルミ科の広葉樹。材は家具材のほか、楽器材、高級車の内装、銃床、彫刻材、轆轤細工などに用いられる。手打胡桃(テウチグルミ)、カシグルミ、西洋クルミ、ペルシャクルミともいう。また、産地の名を冠してイングリッシュウォルナット、イタリアンウォルナット、ペルシャンウォルナット、フレンチウォルナットなどと呼ばれる。 |
ヨーロピアンプレーン EuropeanPlane |
ヨーロッパに生育するスズカケノキ科の広葉樹。辺心材の差は不明瞭で、全体的に赤味を帯びた暗褐色を呈する。高級家具や高級車の内装、楽器、ツキ板などに用いられる。ロンドンプレーン、イングリッシュプレーンと呼ばれる。 |
ヨーロピアンレッドウッド europianredwood |
ヨーロッパ、中央アジア、シベリアに分布するマツ科の針葉樹。日本の赤松によく似た木質で、欧州アカマツ、ヨーロピアンレッドパイン(Europianredpine)、ヨーロピアンレッドウッド(Europianredwood)、スコッチパイン(Scotchpine)などと呼ばれる。 |
ようかぐ 【洋家具】 westernstylefurniture |
西欧風のスタイルや加工技術を取り入れた洋風家具。⇔和家具 |
ようだんす 【用箪笥】 |
身のまわりの小物や書類などを入れておく小型の箪笥。手箪笥。手許箪笥。 |
ようふくたんす 【洋服箪笥】 wardrobe |
洋服をハンガーに吊るしたまま収納できる家具。 |
よぐそみねばり 【夜糞峰榛】 |
わが国特産のカバノキ科の落葉広葉樹。心材は紅褐色を呈し、木質は重硬で木肌は緻密、表面仕上がりは良好。家具材、器具材、床板等に用いる。ミズメ、アズサ(梓)ともいう。 |
よせぎ 【寄木】 woodenmosaic |
色調が異なった木材を幾何学模様などに組合わせて、これを薄い経木に突いて台板に貼った木工芸品。箱根細工として有名。 |